夢のいたずら

若い頃に描いた夢が、このブログに連れてきてくれました。人生まだまだこれからです。詩とエッセイを中心に書いています。

2023年10月のブログ記事

  • 意欲作

     意欲なんて持たないほうがいい。意欲を持って事に当たろうとすると、いい仕事をしてやろうなどという余計な我が入ってしまうから、いい仕事が出来なくなってしまう。  たとえば文学とか音楽とかがいい例で、『意欲作!』などという触れ込みの作品ほどつまらないものが多く、逆に気負いのない無欲な作品にこそいいもの... 続きをみる

  • 迷言を吐く男

    三十代の前半だったか、足繁く 飲み屋に通った時期がある。 思い起こせば不機嫌な生活を 強いられた時期だった。 とにかく毎日がうつむき加減で 首や肩のこる毎日だった。 足繁く飲み屋に通ったのは、そんな 不機嫌で肩や首のこる生活から 少しの時間でも逃げ出したいという 一心からだった。 飲むとぼくはいつ... 続きをみる

  • 学園通り

    1, その高校は市の中央にそびえる 山の中腹に建っている。バスを 麓で降りて、そこからは歩いて 狭く長い坂道を登ることになる。 春や秋は様々な花が咲いていて 長い坂を忘れさせてくれるけど 夏や冬はその坂道が地獄と化す。 夏は所々の急な勾配と陽射しで 朝から汗まみれになってしまう。 冬はさらに酷くて... 続きをみる

  • ゆびきりげんまん

    「ゆびきりげんまん、うそ・・ 幾つの頃の約束だったか あれ以来ぼくの体の中に 毎日針がたまっていって チクリチクリ心を刺して 毎日痛くて、毎日痛くて いつも懺悔をしています ・・ついたら、針千本飲ます」

  • 信号待ち

     ここの赤信号はえらく長く感じる。まだ二、三分も経ってないはずなのに、もう三十分以上も停まっているような気がする。きっとさっきから本線に車が通ってないので、そう感じるのだろう。  こんな時、ぼく以外の人はどういう行動を取るのだろう。信号を無視して発進するのだろうか。それともぼくと同じように、イライ... 続きをみる

  • 夢占い

    あの日運命が昼休みの時間を 五分だけ延ばしてくれてたら 同じ姓を持ち同じ時を過ごし 世間をまったく気にしないで 微笑ましいキスができる仲に きっとなっていたに違いない。 その悔恨がつのってつのって 彼女とキスをする夢になった。 実に微笑ましい夢だったけど 夢占いの本を紐解いてみると キスの夢は良く... 続きをみる

  • 黒幕

     昔は黒幕と呼ばれる悪賢い奴らが、中途半端に頭のいい兄ちゃんなんかに、やれ地球防衛軍だ、やれ革命家だ、などと言って持ち上げその気にさせ、いろんなトラブルを起こさせていた。あの教団の事件だってそうだったし、学生運動だってそんなもんだったでしょ。だからその元を断てば、日本は何とか保てたわけだ。  今そ... 続きをみる

  • 雑おとこ

    世の中実に多くの男がいるのです 性格がいいと言われる男がいます イケメンと呼ばれる男がいます 男らしいと言われる男がいます 渋いと言われる男がいます 男が惚れる男がいます 家柄のいい男がいます バリバリ仕事が出来る男がいます 大出世している男がいます それらと真逆な男もいます だけど恋をしている女... 続きをみる

  • あるカフェでの話

    そのカフェのママとぼくは昔からの知り合いだ そのことをあいつは知らなかった ぼくとあいつは高校の同級生だ そのことをママは知らなかった あいつはママの元彼だった そのことをぼくは知らなかった ママと妻は中学の先輩後輩だった そのことをぼくは知らなかった ママと妻の姉は仲のいい友だちだ そのことを... 続きをみる

  • ドクロ裁判 他

    ---------- 『ドクロ裁判』  世間があなたを善と認めたとします。  いい人ですよ。近所付合いもいいし。  この人が悪なんて絶対にありえない。  大勢の声があなたに味方しています。  しかしわたしはあなたを善としない。  なに故にそう言切れるのかというと、  わたしはあなたにとって絶対的存... 続きをみる

  • すったもんだ紀行ほか

    『すったもんだ紀行』  旅先ですったもんだありまして  ヤツと仲たがいをいたしまして  どうでもいい存在になりました。  この先どうなるか判りませんが  今のところはうんざりしてます。 『自戒』  自分を大きく見せようとすると  小さく見えてしまうものなんだ  重い人間と思わせようとすると  軽く... 続きをみる

    nice! 1
  • 重量級の猫

    当時は軽量級より少し軽かったから あの塀を軽々跳び越えられたんです。 ところが今は見ての通りの重量級だ、 故に跳ぶどころか走るのも怪しくて 動きが確実に鈍くなっているのです。 ちょっと歩いたらよろけてしまうし 頭をかこうと足を上げても届かない 余分な重みがすべての動きに対して 色んな悪さをしかけて... 続きをみる

    nice! 1
  • 二匹の妖怪

     ぼくはかつて、2匹の妖怪に取り憑かれて困っていた。それは、『妖怪ねぶそく』と『妖怪はらまわり』である。中年時代、この妖怪がいなければ、ぼくはどんなに健康的な生活を送っていたことだろう。  その後、目が悪くなったのも、散々「メタボ、メタボ」と言われたのも、実はこれらの妖怪の仕業だったのだ。  さて... 続きをみる

  • 暗黙の了解

     ぼくは、月に何度か近くの神社にお参りに行っている。そこは地域にある小さな神社で、正月以外は参拝客も少ない。  その神社で時々、お目にかかる方がいる。ぼくのように適当ではなく、いつも長い時間お参りをしている。  邪魔しては悪いので、その方がお参りをしている間、ぼくは邪魔しないように、他の社を拝んだ... 続きをみる

  • 信教の自由

    1,  ぼくの家に金色の聖観音像がある。掃除をしないので、ほこりまみれになっている。たまに手を合わせている。ぼくの信仰は、その程度のものである。  かつて、お経や禅の本を読んだことがあるが、それはあくまでも興味本位で読んでいただけであって、別にそういうものにのめり込んだわけではない。  神社や古い... 続きをみる

  • 街中のトンボ

    街中でトンボの群れを見た。 そういう季節なんだろうな。 ここにひとつの疑問がある。 そのトンボたちだが、一体 生まれはどこなんだろうか? 近くに川は流れてはいない。 水場があるのは道路の下だ。 つまり生活排水であふれる 下水道だけだ。もしかして ヤツらはゴキブリ級に汚い 生きものなのかもしれない。

  • 一人で会話する人

    1,  歩道で信号待ちをしているとき、後ろからブツブツ言う声が聞こえた。振り向いてみると、そこには、実に幸せそうな顔をした兄ちゃんがいた。妙にニコニコしている顔が、何か薄気味悪かった。  何を言っているんだろうと、聞き耳を立ててみると、どうも誰かと会話しているようだ。 「それでお前はどうしたんだ?... 続きをみる

  • 一歩を踏み出そう

    出来なかったことを考えるから、今がとてもやりきれない。 いつかやり直しがきくんだと、曖昧な日々を過ごしてきた。 このままではだめだ。一歩を踏み出そう。 年取るだけの人生を望んでないから。 ここから一歩を踏み出そうよ。 そこからのことを考えないから、日々はいつもの繰り返し。 まだ若いという勘違いは、... 続きをみる

    nice! 1
  • 薬害

    1,  最近近所のおじさんが入院したのだが、薬のせいで変な行動を起こすようになったと言っていた。  病院にいるのに、夜になると決まって家にいるような錯覚に陥るらしい。そのせいか、自分のものも他人のものも自分のものと思うようになってしまい、勝手に他人のカバンを開けたりするのだと言うのだ。  その持ち... 続きをみる

  • 親父

    いつの頃だかは忘れた。 憶えていることといえば、 十円玉の裏側と、 奇妙な夢と、 洗濯石けんのにおいだけだ。 親父の死はもっと後のことだ。 それからのことは漠然とではなく、 歳を追って憶えている。 どうやらぼくの人生は、 親父の死から始まったものらしい。 ぼくの考え方も生き方も、 その人生そのもの... 続きをみる

  • 大丈夫

    「大丈夫」と書いたカードを、部屋に貼っている。 気落ちした時に見るためだ。 そういうつもりで貼ったのだが、気落ちする前に、不思議とこのカードが目に入る。 おかげで気落ちする暇がない。 ところで、これは偶然なのだろうか、それとも何者かの計らいなのだろうか。 ものの本によれば、こういう場合は自分の信じ... 続きをみる

  • 未来のこと

     人間の好奇心というのは、自分の未来に対して最も旺盛なのではないだろうか。  将来どういう自分になっているのか知りたい、という人がいるかもしれない。あと何年生きられるか知りたい、と思っている人もいるかもしれない。若い人なら、あの人と将来結ばれるかどうかを知りたい、という人もいるだろう。  そんなに... 続きをみる

  • 本当にあったモンペ婆さん

    中学生の頃だったな。 居間で昼寝をしていた時に 玄関の扉をトントンと叩く音がした。 誰だろうと思いながら 目を覚ましてみると、そこに ぼくの顔を覗き込んでいる人がいた。 胸に大きな名札をつけ モンペをはいた婆さんだった。 誰だか思い出せない。 というか、知らない人だ。 ということは『夢だ』と 単純... 続きをみる

  • 13日の金曜日

    【13日の金曜日】  そうだった。今日は13日の金曜日なのだ。キリストが磔にあった日ということで、キリスト教徒がもっとも忌み嫌う日である。  元々この日は、ただの13日の金曜日に過ぎなかった。ところが、キリスト教ナイズされた人間が、まことしやかに「不吉、不吉」と言いだしたものだから、いつの間にか仏... 続きをみる

  • 「死んだはずの人」の話

    1,  死んだはずの人が本当は生きていた、という話はいつの世にもある。  古くはイエス・キリスト。彼は聖書では復活したことになっている。  ここにもう一つ、イエスに関する記録がある。 「実はあの時十字架にかけられたのは弟のほうで、イエスは脱出し日本に来ていた。そして108歳まで生きた。カゴメカゴメ... 続きをみる

  • 大人

    1,  ぼくは、自分が大人だという意識をあまり持っていない。これは、別にぼくが大人になりきれてないということではない。ある時期に大人であることを捨てた結果なのだ。  なぜ大人を捨てたかというと、単に疲れるからだ。過去、大人になろうと背伸びしている後輩を何人も見てきたのだが、彼らは一様に滑稽で、かつ... 続きをみる

  • 未来の記憶

     生まれた時から今この時まで、脳は一つ一つのことを鮮明に記憶しているという。普段忘れていることでも、何かの拍子に思い出したり、催眠術で記憶を蘇らせたりできるわけだから、その意見は正しいのだと思う。  だけど最近、ぼくはその、ほぼ常識的な意見に疑問を抱くようになった。頻繁に既視感や予知を体験するよう... 続きをみる

  • 悔しい!

     この間、買い物に行った時の話だ。  あるものを買おうと思って財布の中を覗いてみた。が、少し足りない。そこで、その店に設置してあるATMにお金を出しに行った。  そこに行ってみると、おっさんがお金をおろしていた。まあ、おっさん一人だけだったので、すぐに終わるだろうと思い、後ろに並んでいた。ところが... 続きをみる

  • 生きてるチェック

    家に帰ってから、いつも まっ先にやっているることがある。 生の確認だ。 今、自分が 本当に生きているかどうかを 確かめるのだ。 鏡を見ながら、 とりあえず今日一日を振り返る。 事故に遭ったりしなかったか? 突然倒れたりしなかったか? 思い当たることがなければ大丈夫で、 ぼくは今生きているのだ。 以... 続きをみる

    nice! 1
  • 力ラーメン(下)

    『あしたのジョー』の中での話。  力石徹がジョーとの対戦のために過酷な減量している時、マンモス西がジムをこっそり抜け出して、屋台のうどんを食べに行った。それを知ったジョーは、西を追いかけて行き、うどんを食べている西を殴った。 「こんなところを見たくなかったぜ、西…」「ぶざまだな。みじめだな…」「お... 続きをみる

  • 世の中おかしい

     先日、飲みに行った時に、店のママさんからおもしろい話を聞いた。  その人の近所の家で飼っている犬が、ガンになったという。そこで、そこの奥さんは仕事を辞めて、けっこう長い期間看病したらしい。犬の治療には金がかかるらしく、点滴一回につき数千円から数万円も取られるのだそうだ。それをほとんど毎日やってい... 続きをみる

  • 力ラーメン(中)

     こんなぼくでも、東京に出た当初は自炊をしていた。そのおかげで、最初の頃、ほんの少しの期間だったけど、計画的にお金を遣うことができた。まあ、それが出来たのは、まだ友だちもいなかったということのほうが大きかったのだが。  で、どんな料理が出来るのかというと、みそ汁と目玉焼き、それとラーメン(もちろん... 続きをみる

    nice! 1
  • 儀式

    テレビや映画などで 他の国の宗教的な儀式を見ていると けっこう笑えるものがある。 そのことをするために、何で あんな回りくどいことを やらなければならないのか。 その行為がくどければくどいほど 笑いが出てしまう。 まあ、その国の人たちにとっては 真剣な行為なので、笑ったりすると 不謹慎と言われるか... 続きをみる

  • 力ラーメン(上)

     二十歳から二十二歳までのおよそ二年間、ぼくは東京に住んでいた。  初年度はともかく、二年目、ぼくは食うや食わずの生活を強いられていた。強いられていたは大げさだが、要は自分でそういうふうにしてしまっていたのだ。  原因は、ぼくの金遣いの荒さである。バイト代などで、まとまったお金が入ってくると、いつ... 続きをみる

  • 実家から自宅まで

     実家から自宅まで、歩いておよそ5分。  この5分という短い時間の中に、いろいろなドラマがある。  先日。夜、実家から戻っている時のこと。夜道を男女二人が歩いていた。男性は30代位、女性のほうは60代位で、親子のようだった。  ぼくは彼らの10メートルほど後ろを歩いていた。二人で何かコソコソと話を... 続きをみる

  • 失礼ですが

     女性に年を訊くとき、男性はよく「失礼ですが、おいくつですか?」と言うが、「失礼ですが」と断らなければならないくらいだから、女性に歳を聞くのは、本当に失礼に当たるのだろう。  失礼に当たるなら、女性の歳を言うべきではないし、聞くべきではない。では、女性をどういうふうにして量ればいいのだろう。  そ... 続きをみる

  • 健康診断

    機械がぼくの将来の死因を探っている。 検尿、血圧、採血、バリウム、心電図、 レントゲン、問診、再び血圧血圧血圧。 この数値、血圧がどうたら、こうたら。 これは高い。やれ脳梗塞だ心筋梗塞だ。 お医者様お医者様大丈夫ですよ大丈夫。 わたしゃこんなことでは死にはしない。 死ぬのは昔から老衰と決めておりま... 続きをみる

  • 妬みの神

     サラリーマンの世界では、家を建てたりマンションを購入したりした後で、何故か転勤になることが多い。以前ぼくが勤めていた会社は、市外に支店などを持ってないのでそういうことはないのだが、ぼくが最初に勤めていた会社は全国に展開していたのではよくそんなことがあった。  ぼくが最初の会社にいた頃、一人の課長... 続きをみる

  • 寝不足のわけ

    嫁さんとテレビを見ていると、 ぼくはそのまま眠ってしまう。 目が覚めると嫁さんはいない。 一人さっさと布団に潜りこみ、 大きないびきをかいています。 それを見てぼくも電気を消し、 布団に潜ろうとするのだけど、 なんとなく夜がもったいない。 そこで自分の部屋に潜りこみ、 重たいパソコンを起ち上げる。... 続きをみる

  • もう一人の自分

    自分の心をどこまでも掘り下げていけば 別の人間にたどり着くのではないか と常々ぼくは思っている。 時々こういう夢を見ることがある。 現実とはまったく違った環境の中で 生活している夢だ。 なぜかその内容がえらく現実味を帯びていて そこでの生活が自然に感じるのだ。 その中に登場する人物も 現実では知ら... 続きをみる

  • 夢を蒔く人

    小学生の頃、人が夢を見るのは、どこかに夢を蒔く人がいるからだと思っていた。そのことを、けっこう深く信じていたものだ。  一度その話を友人に語ってみたことがある。すると友人は、「その人は何人おるんか?」と突っ込んできた。 「一人」 「おまえはバカか。一人一人見る夢は違うんぞ。たった一人でどうやって何... 続きをみる

  • 宿命

     小学生の頃、誰よりも成長の早い子がいたとしよう。成長が早ければ、もちろん下の毛も誰よりも早く生えてくる。それを運悪く同級生に見つかってしまったとする。おそらく、彼のあだ名は『チ○ゲ』で決まりだろう。最悪の場合、女子からも「チ○ゲ君」と呼ばれるだろう。  小学生の頃のあだ名というのは、なかなか消え... 続きをみる

  • 記憶

    生まれた時から今この時まで、 脳は一つ一つのことを 鮮明に記憶しているという。 普段忘れていることでも、 何かの拍子に思い出したり、 催眠術で記憶を蘇らせたりできるわけだから、 その意見は正しいのだと思う。 だけど最近、ぼくはその ほぼ常識的な意見に疑問を抱くようになった。 頻繁に既視感や予知を体... 続きをみる

  • 星占いは見ない

     ある本で読んだのたが、占いはあまり見ない方がいいらしい。その日が良ければ問題ないのだが、悪ければマイナス思考に陥りやすいのだそうだ。  それよりも神社などでお参りして、「神様に頼んだから大丈夫」という気分でいたほうが、幸運が舞い込んできやすいらしい。  そういうわけでもないが、ぼくはテレビの星占... 続きをみる

    nice! 1
  • 頑固なばあさん

     物心ついた時から40歳までの間、ぼくは県の団地に住んでいた。  その団地、ぼくが社会に出るまでは二階長屋だったのだか、社会に出た頃に、建物の老朽化ということで、高層団地に建て替えることになった。  それに伴い、建て替えるまでの約1年間、近くの市の高層団地で生活することとなった。その高層団地は13... 続きをみる

  • オイルショックとノストラダムス

    第一次オイルショックが起きたのは ぼくが高校一年の年の秋だった。 世の中が紙不足と言って突然騒ぎだした。 それを知って大変だなとは思ったが、別に お尻が拭けなくなったわけでもなかったから ぼくに紙不足の実感はなかった。 そういうさなか、ぼくは当時の大ベストセラー 『ノストラダムスの大予言』を買った... 続きをみる

  • 夫婦の何気ない会話

    「ねえ、この家、何かおるような気がせん?」 「おるって何がおるんか?ネズミか?イタチか?ヘビか?」 「いや、そんなんじゃなくて・・」 「そんなんじゃない?じゃあ、何か?」 「うん、幽霊とか・・」 「幽霊?何でこんなところにおるんか。ここはマンションの6階ぞ」 「そうよねえ。6階に幽霊なんかおらんよ... 続きをみる

  • 記憶違い

    1,  小学6年生の頃、友だちと校区内にある池に遊びに行ったことがある。山の絶壁を背景にして、その池はあった。けっこうスケールが大きく、まるで山水画に出てきそうな風景だったと記憶している。  行ったのはその時が初めてだった。近くにこんないい場所があるのかと、その時は感心しきりだったのを憶えている。... 続きをみる