夢のいたずら

若い頃に描いた夢が、このブログに連れてきてくれました。人生まだまだこれからです。詩とエッセイを中心に書いています。

実家から自宅まで

 実家から自宅まで、歩いておよそ5分。
 この5分という短い時間の中に、いろいろなドラマがある。


 先日。夜、実家から戻っている時のこと。夜道を男女二人が歩いていた。男性は30代位、女性のほうは60代位で、親子のようだった。


 ぼくは彼らの10メートルほど後ろを歩いていた。二人で何かコソコソと話をしている。別に聞き耳を立てていたわけではないが、風向きのせいか、その話が時々聞こえてくる。


息子「ごめんな。ごめんな」
母「ほんと、お前は女を見る目がないのう」
息子「母ちゃん、ごめんな…」
 そう言うと、二人は口を閉じた。


 いったい、息子は母親に何を謝っていたのだろうか。母親の「女を見る目がない」という言葉から察するに、この男は奥さんにでも逃げられたのだろうか。それとも、性悪な女に騙されて金でも盗られたのだろうか。


 母親に謝るくらいだから、母親に迷惑がかかったか、母親が息子と女の調停に乗り出したかのどちらかだろう。聞こえてきた会話がそれだけだったので、そういう推測しか出来ない。


 ああ、二人にいったい何があったのだろうか。ぜひとも知りたい!


 実家から自宅まで、歩いておよそ5分。
 この5分という短い時間の中に、いろいろなドラマがある。

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