夢のいたずら

若い頃に描いた夢が、このブログに連れてきてくれました。人生まだまだこれからです。詩とエッセイを中心に書いています。

2023年9月のブログ記事

  • ソ連が妨害電波

    先日、友人がやって来て、おかしなことを言っていた。 「最近テレビの映りが悪くてねぇ。  時々画面がバーッと乱れるんよね」 症状を聞くと、どうも電波のせいらしい。 「それはテレビじゃない。電波の関係だと思うんやけど」 「やっぱりそう思うやろ?で、管理人に掛け合ったんやけど・・。  そいつ変なやつでね... 続きをみる

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  • 通学路

    【牛小屋】  ぼくの通った小学校は国道の西側にある。今は国道の東も西も住宅街になっているが、ぼくが小学生の頃は東側が住宅街で、国道の信号を渡り、一歩西側に入ると風景が一変した。突然ど田舎なのである。  しかも、信号を渡り終えると、強烈な臭いがしてきた。牛の臭いである。そこには牛小屋があり、さらにそ... 続きをみる

  • 霊界役場生物課会議

    1,犬係係長 おいおい、下界じゃまた猫が 車に轢かれているじゃないか。 一体何千匹、何万匹殺したら 気が済むんだよ。ただでさえ 霊界は定数を超えているのに。 猫係はちゃんと霊界と下界の バランスを取ってくださいよ。 このままだと我々の住家まで なくなってしまうじゃないか。 2,猫係係長 三味線の需... 続きをみる

  • 八月葉月の虫の音は

    1, 「八月葉月の虫の音は いとしゅうてならぬと鳴きまする」  佐藤公彦(ケメ)の名曲『通りゃんせ』の一節だ。ぼくは当初、八月葉月の虫を、セミのことだと思っていた。  しかし、これは旧暦のことだから、新暦では今時期ということになる、とわかったのはずっと後のことだった。  今日は旧暦の八月十五日(と... 続きをみる

  • 延命十句観音経霊験記(就職編)

    「ああ、仕事が見つからん」  十七年前、勤めていた会社を辞めてから、ぼくはけっこう長い時間、個人でいろいろなことをやっていたのだが、それがにっちもさっちもいかなくなり、しかたなく就職を探している頃のことだ。  すでに五十才を超えていたために、そうそう仕事は見つからない。資格を活かそうと、その方面の... 続きをみる

  • コカコーラの思い出

    1,  小学校に通っていた頃は、買い食いを禁止されていたので、学校帰りに文具以外の物を買うという行為はあまりやった覚えがない。告げ口をする奴が多かったので控えていたのだと思う。  中学に入ると、学校ではそういう細かいことを言わなかったので、毎日のように買い食いをやっていた。その中でも一番想い出深い... 続きをみる

  • へりくつ野郎の言い分

    「はー」とため息をつくと、「幸せが逃げるよ」とよく言われる。  一理あるが、さて、その幸せはどこに逃げるんだろうか?そしてその幸せを取り戻す方法はあるんだろうか?  幸せとはその人の心の持ちようだという。 「貧乏であっても幸せと思っている人は幸せだし、金持ちであっても不幸せと思っている人は不幸せだ... 続きをみる

  • 道の達人

    1,  ぼくが『道の達人』と呼んでいる人たちがいる。例えば歩道で、例えば店の通路で、その人たちは活躍している。  何の達人かというと、後ろを歩いている人から抜かされない達人なのだ。別に早歩きをしているわけではない。どちらといえば、ゆっくりと歩いている。達人を抜くスペースは十分にある。だけど、後ろの... 続きをみる

  • 延命十句観音経霊験記(番外編)

     三十年ほど前の話だ。  ぼくの部署にいた女性の派遣社員が、仕事の合間に般若心経の本を読んでいた。 「般若心経なんか読んで、どうかしたと?」とぼくが聞くと、その女性は 「今、必死で覚えてるんですよ」と言う。 「何でまた般若心経なんか覚えるんね?」 「般若心経を唱えると、願い事が叶うと聞いたもんです... 続きをみる

  • どちら様でしょうか?

    1,  昨日、まったく知らない人から、「おーっ!こんにちは」と言われた。ぼくは『えっ、誰だ?どこで会ったんだろう?』と思いながらも、「こんにちはー」と一応頭を下げた。  するとその人が「今日は何事ですか?」などと声をかけてきた。「はあ・・・?」と言いかけた時、後ろのほうから「いやー、今日は休みで買... 続きをみる

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  • 延命十句観音経霊験記5

    13,  それ以来、ぼくは鬱状態になることはなかった。おそらく、これからもそういう状態にはなることはないだろう。それは、延命十句観音経のおかげで、深く悩みに囚われたり、縛られたりすることがなくなったからだ。  以来ぼくは、悩みを持った時にこの経を唱えることにした。すると、同じように霊験は現れる。例... 続きをみる

  • 猫修行

     猫を飼っている人から聞いた話だが、今まで飼った猫は必ずと言っていいほど1~3ヶ月行方不明になったということだ。  そういえば、小学生の頃読んだ本にミステリーゾーンというのがあって、その中に、「猫修行」という項目があった。  先の人が言っていたとおり、猫は1~3ヶ月行方不明になることがある、と書い... 続きをみる

  • 延命十句観音経霊験記4

    10,  しかし、それで治ったわけではなかった。その夕方にはまた鬱状態が訪れた。翌日もそういう状況だった。それからしばらく平穏が訪れ、また鬱状態が訪れるという、一進一退の状況が続いた。  それでも諦めずに、ぼくは延命十句観音経を唱え続けた。すると、およそ2週間ほど経ったある日、二度目の霊験が訪れた... 続きをみる

  • 逆遣唐使

     我が国は、平城京の昔から、技術や文化を提供するために唐の国に指導員を派遣していた。二百年以上かけてそれらを吸収し習得した唐政府は、 「我が国に遣唐使は必要なくなったから、引き上げてほしい」と、平安京政府に要請してきた。  その時に対応したのが、遣唐大使である菅原道真だった。彼は、 「日本が引き上... 続きをみる

  • くきなみ村にて(秋の夜)

    夜の竿は、星を刺し さてここいらで泣きましょか 暗い街に、影を刺し つゆなかけるな、深い雨 裸電球、雨に濡れ 過ぎし光を、追いまする しだれ柳、風に揺れ 落ち葉ひらひら、終列車  うっすら三日月、闇に浮かびます  弱った体が、街の陰ります  犬の遠吠え、闇に響きます  疲れた声が、街に狂います 夜... 続きをみる

  • 体毛

     テレビで動物の生態などをやっていると、つい見入ってしまう。  彼らが羨ましいんです。何が羨ましいのかというと、あの体毛です。不精者のぼくには、あの体毛が大変便利に思えるのです。  まず第一に、床屋に行かなくていい。例えば毛が伸びすぎて困っている猫なんか見たことがない。  第二に、着替えなくていい... 続きをみる

  • 迷い猫

     今日、会社の表玄関に貼り紙がしてあるのに気がついた。 『行方不明の飼い猫を探して下さい』という内容だった。  黄色の首輪をしていたとか、耳が欠けているとか、いろいろと猫の特徴が書いていた。 『6㎏ある』と、ご丁寧に体重まで書いていた。が、はたして歩いて(走って)いる猫を見て、 「おっ、あの猫は6... 続きをみる

  • もう一つの家族

    ぼくら家族が住むこの家には もう一つの家族が住んでいる。 彼らは老若や男女の区別なく 酷く好戦的で無慈悲で野蛮で ぼくらの姿を見つけるや否や きゃーきゃーと奇声を上げて はきもの片手に襲ってきたり 猛毒の霧をふりかけてきたり 時に凍死させようと試みたり こちらの息の根を止めるまで その手をゆるめず... 続きをみる

  • ご時世

    毎朝六時に鳴るお寺の鐘が たまに聞こえないことがあると 住職は愛人宅にいるのかなと 一応疑ってみるご時世です 近所に住んでるお年寄りの姿を 二、三日見かけなかったら 死んだのではないのかと 自然に思うご時世です 昔からある街の本屋が 何日か休んでいたりしたら きっと万引きに潰されたんだと 確信して... 続きをみる

  • 夢のいたずら

    1,  『夢のいたずら』  「君を愛してる」と言いかけた時、  いつも同じように終わる君の夢  言い出せなかった大きな悔いが、  いつまでも残る。あの若い日は、  先へと進まない  いつもいつも、途切れた映画のように  後味悪い、夢のいたずら  30代前半に書いた詩の一部である。  その当時、高校... 続きをみる

  • 延命十句観音経霊験記3

    7,  その本には、この短いお経を唱えて起きた奇跡の実例が書いてあった。  しかし、奇跡とはいうものの、何も突飛なことばかり書いているわけではない。精神的な病から救われたとか、ものの見方が変わって幸福を得たような話も書いてある。いや、どちらかというと、眉唾物の話より、そちらの方に重点が置かれている... 続きをみる

  • 信号待ち

    ここの赤信号はえらく長く感じる。 まだ二、三分も経ってないはずなのに もう三十分以上も停まっているような気がする。 おそらくはさっきから本線に車が通ってないから そう感じるのだろう。 こんな時、ぼく以外の人は どういう行動を取るのだろう。 信号を無視して発進するのだろうか。 それともぼくと同じよう... 続きをみる

  • 延命十句観音経霊験記2

    4,  そういう状態が2ヶ月ほど続いたある日、ようやく打開のきっかけをつかんだ。  たまたま寄った本屋で、ある新刊の本を手に取った時だった。ふと手が滑ってしまい、その本を落としてしまった。慌てて本を拾い上げると、あるページに折れ目が入っているのが見えた。 「まずいな」と思いながら、そのページを開い... 続きをみる

  • 寝言

     休日になるといつも眠気が襲ってくる。何をやっていても、ついつい居眠りしてしまうんだ。きっと休みで気が張ってないから、どうしてもそうなってしまうんだろう。  いや、待てよ、それはちょっと違うかもしれない。なぜなら気が張っているはずの仕事中でも、眠気はしょっちゅう襲ってくるのだ。ということは、気が張... 続きをみる

  • 頑張るリック君

     知人の家にリックという、オスのミニチュアダックスがいる。かなり前から飼っていて、人間の歳にするともう七十歳を超えているという。なるほど目は白内障になっていて、歩きもヨタヨタしている。  ところがそのリック君、そんな体になってはいてもあちらの方は元気な様子で、何かにつかまっては必死に腰を振っている... 続きをみる

  • A型彼氏

    彼女は血液型占いの信奉者で 血液型で人を判断していた。 彼氏の血液型はA型らしく なるほど彼女の言う通り 彼氏はA型の思考をして A型の行動を取っていた。 彼女は彼に好意を抱いてから A型人間を意のままに操る術を 研究し、確立し、実行した。 彼氏はうまく術にかかり 彼女に結婚を申し込んだ。 万事彼... 続きをみる

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  • 夢判断

     前にも書いたが、19歳から20歳にかけて、ぼくはよく夢判断をしていたものだ。夢判断とはいっても、この頃はすでにフロイトなどの難しい本は読んでなく、別に深層心理の観察などをやっていたわけではない。  では、どんな夢判断をやっていたのかというと、それは占いである。つまり、夢占いをやっていたわけだ。 ... 続きをみる

  • 念力

     あるアンケートに、「ひとつだけ超能力を身につけられるとしたら?」というのがあった。 「瞬間移動」「透視」「予知」「テレパシー」「念力」「その他」から選ぶようになっていたが、ぼくは躊躇せず「念力」と答えた。 「瞬間移動」もよさそうだが、もし移動した場所が高速道路上や、交差点のど真ん中だったら恐い。... 続きをみる

  • 人生150年

     今読んでいる本に、午後11時から午前2時までは睡眠に充てたほうがいいと書いてあった。その代わり朝は早く起き、運動をしたほうがいいらしい。人間の体は、そうすることによって、健康が保たれるように出来ているということだ。  なるほど、それで野生の動物は天寿を全うできるわけか。じゃあそうしようかと思って... 続きをみる

  • 神が宿る

    1,  かつてぼくは、詩作や作詞作曲といった創作活動をやっていたことがある。  その頃何度か『神が宿る』経験をしたことがある。そういう時は決まって眉間のところがむずむずしだし、そのうち意識が体の外にいるような感覚になってくる。そして、そういう状態になった時に、詩を書く手が勝手に走ったり、曲が浮かん... 続きをみる

  • 人生のヤマ

    1,  前の会社にKさんという方がいた。ちょっと変わった面白い人だった。  ある時期、そのKさんが、手当たり次第に保険に入りだしたことがあった。誰もが、「Kさん、保険なんかに興味を持ってなかったのに、何でまた…」と言っていたものだった。  それから数ヶ月たったある日のこと。Kさんが救急車で、病院に... 続きをみる

  • 延命十句観音経霊験記1

    1,  ぼくは二つのお経を唱えることが出来る。一つが“般若心経”で、もう一つが“延命十句観音経”というお経だ。  ぼくがこれらのお経を覚えたのは、昭和61年だった。  20代後半のこの年に、ぼくは精神的に病んでいたことがある。あることに悩みを持ってしまい、それから抜けられなくなった。それが極まって... 続きをみる

  • 昨日の運勢が良かった蚊

     ぼくはマンションの6階に住んでいる。エレベーター待ちのイライラという欠点さえ目をつぶれば、あとは長所だらけだ。  長所を上げれば切りがないが、何よりもいいのが、この季節である。昼でも夜でも、思いっきり窓を全開できるのだ。ぼくと嫁さんはエアコンがダメである。とはいうものの、暑すぎるのも耐えられない... 続きをみる

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  • 念力

     ぼくが小学6年生の頃、親戚の家に、立つことが出来ずに寝たきりになっている子犬がいた。  その子犬は先天的に立てないのではなかった。ある事件以来立てなくなったのだ。  その事件とは、その母犬と兄弟犬が犬さらい(保健所?)に連れて行かれたことだ。その光景を、子犬は隠れて見ていたのだと思う。その時のシ... 続きをみる

  • バチが当たるぞ!

    【1】 終戦後、進駐軍が羽田空港拡張のため、そこにあった神社を移転させようとした。 ところが、ご神体は無事移転できたのだが、鳥居だけはできなかった。 鳥居を動かそうとすると、事故が起きるのだ。 そのため、鳥居だけはそこに残すことになったという。 きっと神様の怒りに触れたのだろう。 ぼくが通った高校... 続きをみる

  • 運命の赤い糸

    1,  ぼくと嫁さんの相性は、すこぶるいいのだそうだ。波長が合っているらしい。  しかし波長が合うというのは実に抽象的である。いったい、どの時期のどの場面で波長が合っているというのだろう。これまで何度も別れそうになったことがあるが、それでも別れなかったというのが『波長が合う』と言うのだろうか。さら... 続きをみる

  • 白髭

     ぼくの住んでいる八幡(北九州市)に、花尾山という山がある。夜景で有名な皿倉山の横にある、400メートルに満たない低山だ。そこは中世に城があったらしく、所々にその跡が残っている。  二十代から三十代にかけてぼくは、運動不足解消のために、よくその山に登っていた。歩くにはちょうどいいのだ。  さて、そ... 続きをみる

  • 死に風

     先週、前にいっしょに働いたことのある方の、お母さんが亡くなった。ということで、その日お通夜に行ってきた。  今日の夕方、うちのパートさんのお父さんが亡くなったという連絡が入った。そのため、明日はお通夜に行かなければならない。  そういえば、午前中には本社の人のお父さんが亡くなったとの訃報が入って... 続きをみる

  • 盤珪

     30代の頃、仏教の書物を読み漁ったことがある。20代の頃に中国思想に耽っていたが、30代の始めに中国思想ではどうにも解決できないものにぶち当たってしまい、仏教書に走ったのである。  かなり読みましたね。特に好きだったのが、禅宗関係の本だった。読後の爽快感は他の宗派の差ではなかった。  その中でも... 続きをみる

  • 隣の町の噂話

     福岡県に芦屋という地名がある。兵庫県の芦屋と違って、ここは市ではなく町である。  歴史や茶の好きな人は「芦屋釜発祥の地」、ギャンブルの好きな人は「芦屋競艇」のある所、と言えばお分かりいただけるだろう。  ここは昔から異質な場所であったと聞いている。古くは「芦屋道満」と密接な関係があったと言われて... 続きをみる

  • 薄気味悪い写真

     隣の区にある貯水池の畔に、かつて某大手企業の保養所があった。小学3年の夏休みに、親戚一同が集まり、そこで宴会をしたことがある。  宴もたけなわ、名古屋から来ていた叔父が、自慢のカメラを取り出して、写真を写しだした。その時の写真は今でも残っている。もちろん50年以上も前のことだから、カラー写真では... 続きをみる

  • LOVE

    1, 今我々が宇宙と呼んでいるものは 実は一つの生命体なのだという。 そして宇宙意思と呼ばれる その生命体の持つ欲求が、 この宇宙で最高の美となり 人はそれを愛と呼ぶ。 つまり愛の意味するものすべてが、 宇宙意思であり、 この生命体の欲求だというわけだ。 高尚、深遠、壮大かつ助平である。 2, 例... 続きをみる

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  • 後家数

    (1)  姓名判断に『後家数』と呼ばれる画数がある。 その画数を持った女性の多くの人が、離婚したり、離婚はしないまでも別居したていたり、行かず後家だったり、悪い時には死別したり、という経験をしている。  あえてその画数をここには書かないが、その画数を持った人に共通して言えるのは、心のどこかに、男性... 続きをみる

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  • 記憶力

    昨日、うちのパートさんと話していてちょっと驚いたことがある。 そのパートさんの次女(現在高校生)は、なんと生まれた時の記憶を持っているらしく、その時、その病院に、誰と誰がいたということを言い当てるというのだ。 前世の記憶を持っている人がいるということは聞いたことがあるが、生まれた時の記憶を持ってい... 続きをみる

  • 前世の記憶

     どこかでか見たことがある場所なのだが、それがどこかわからない。どこかで経験したことがあるのだが、それをどこで経験したのかわからない。そんな夢を見ることが、時々ある。  目が覚めて、「さて、どこで見て、どこで経験したのだろう」と記憶をたどってみても、それがどうも今の人生に繋がらない。しかも、それら... 続きをみる

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