夢のいたずら

若い頃に描いた夢が、このブログに連れてきてくれました。人生まだまだこれからです。詩とエッセイを中心に書いています。

未来の記憶

 生まれた時から今この時まで、脳は一つ一つのことを鮮明に記憶しているという。普段忘れていることでも、何かの拍子に思い出したり、催眠術で記憶を蘇らせたりできるわけだから、その意見は正しいのだと思う。


 だけど最近、ぼくはその、ほぼ常識的な意見に疑問を抱くようになった。頻繁に既視感や予知を体験するようになったせいだ。

 それらの体験が日常生活上のことに限られているせいで、最初は特別のものとしてとらえてなかった。ところが何度もそういう体験をしているうちに、これはおかしいと思うようになった。とはいえ自分に予知能力があるなんて端から思ってないから、違う方面に答を求めたのだ。


 その結果、実は記憶が先にあって、その記憶に沿って人間は生きているのではないか、と思うに到った。

 もちろん体験するまでその記憶は意識上には現れない。ところが何かの拍子に意識上に現れることがある。そこをとらえて、人は既視感だとか予知予言だとか呼んでいるのだ。

 だとすれば、「予知能力は特別なものではなく、誰にでも備わっているものだ」という専門家の意見も容易に頷ける。


というわけで今ぼくは、そういうことを考える記憶を歩いている最中だ。実に楽しい。

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