夢のいたずら

若い頃に描いた夢が、このブログに連れてきてくれました。人生まだまだこれからです。詩とエッセイを中心に書いています。

13日の金曜日

【13日の金曜日】

 そうだった。今日は13日の金曜日なのだ。キリストが磔にあった日ということで、キリスト教徒がもっとも忌み嫌う日である。

 元々この日は、ただの13日の金曜日に過ぎなかった。ところが、キリスト教ナイズされた人間が、まことしやかに「不吉、不吉」と言いだしたものだから、いつの間にか仏滅や三隣亡と同じく、厄日に数えられるようになってしまった。

 これに天中殺や大殺界など占いの凶日などを加えたら、日本は厄日だらけになってしまう。これでは景気は回復しないだろう。


【キリスト教の教え】

 ところで、ぼくはキリスト教とまったく無縁なわけではない。幼い頃、ミッション系の保育園に通っているのだ。

 そこでキリスト教の儀式みたいなのもをやった覚えがある。例えば、昼食はいつも「天にまします我らの父よ。願わくは…」などとお祈りしてから食べていたし、金曜日は園内にあるお御堂に行ってお祈りしていたものだ。


 また、金曜日は肉を食べてはいけないなどと教えられた。ところが、金曜日というと、我が家はいつもカレーライスだった。子どもの教育に熱心で、そのためにわざわざ洗礼まで受けた伯母が作っていたのだが、しっかりと肉は入っていた。


 ぼくは4歳の頃から2年間その保育園に通った。心理学では、そういう時期に受けた教育というのは、後々まで残るというようなことを言っているが、ぼくは何も残ってはいない。しいて残っているものといえば、悪いことをした時に閉じこめられていた物置の恐怖ぐらいだ。


 その物置は狭く、戸を閉めると光と外気を遮断した。当然中は真っ暗になり、カビ臭さだけが残る。それが恐怖を誘い、地獄に堕ちた感じがするのだ。

 おそらく先生は、悪いことをすると地獄に落ちるということを教えたかったのだろう。だが、結果的には、「暗く狭い場所」に対する恐怖心を植え付けられただけだった。

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