夢のいたずら

若い頃に描いた夢が、このブログに連れてきてくれました。人生まだまだこれからです。詩とエッセイを中心に書いています。

自分を嗅いでいる

お年寄りとすれ違った時、

ツンと鼻につくものがあった。

「ああ、これが加齢臭か」

そう思いながら、

ぼくは自分を嗅いでいた。


ある人と打ち合わせをしていた時、

思わず顔を背けたことがある。

「ああ、ひどい口臭だ」

そう思いながら、

ぼくは自分を嗅いでいた。


他人の臭いが気になるたびに、

自分の臭いが気にかかる。

おそらくおならの臭い以外、

自分の臭いには気づかないもので、

だから他人を基準にしてしまう。


街でブーツの女性を見た時に、

思わず一人でほくそ笑んだ。

「彼女はきっと足が臭い」

帰ってそのことを思いだし、

ぼくは自分を嗅いでいた。

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