夢のいたずら

若い頃に描いた夢が、このブログに連れてきてくれました。人生まだまだこれからです。詩とエッセイを中心に書いています。

♪追いかけて

 三十代半ばのこと。元同僚から、「結婚するので、披露宴で歌を歌ってくれんか」という依頼がきた。
 仲のいい人だったので、心安く引き受けたが、なかなか歌う歌が決まらなかった。人の結婚式で歌ったことは何度もあったのだが、同じ歌を歌ったことはない。それが、その人に対する自分なりの誠意だったのだ。
「仕方ない。新しい曲を作るか」
 ということで出来たのが、この曲だった。



追いかけて



まっすぐに歩いてきたけど
いつもいつもぼくはつまずいているよ
起き上がる時にはいつも
いつも君のことを想っているよ


過ぎ去った数々の罪が
心奪う、そんな時にだって
いつも心のどこかでぼくは
君のことを想っているよ


 追いかけて 君の想いを
 追いかけて 君の言葉を
 追いかけて 君の心を
 追いかけて 君のすべてを


明日からの暮らしの糧に
ぼくは君のことを想っていくよ
君を想うぼくのために
いつも君をぼくは想っていくよ


 つかまえて 君の想いを
 つかまえて 君の言葉を
 つかまえて 君の心を
 つかまえて 君のすべてを



 後日、この歌を聴いた人から聞かれた。
「あのー、宗教か何かされているんでしょうか?」
「えっ?」
「あの歌、神や仏を追いかけてるっていうことでしょう?」
「いやいや、あの歌は恋の歌ですよ。好きな人のことを思って書いたものです」
「そうなんですか?とても深い内容なのに」
 とんでもない深読みをする人だった。

×

非ログインユーザーとして返信する