夢のいたずら

若い頃に描いた夢が、このブログに連れてきてくれました。人生まだまだこれからです。詩とエッセイを中心に書いています。

どちら様でしょうか?

1,
 昨日、まったく知らない人から、「おーっ!こんにちは」と言われた。ぼくは『えっ、誰だ?どこで会ったんだろう?』と思いながらも、「こんにちはー」と一応頭を下げた。


 するとその人が「今日は何事ですか?」などと声をかけてきた。「はあ・・・?」と言いかけた時、後ろのほうから「いやー、今日は休みで買い物ですよ」と言う声がする。


 よく見ると、三人が一直線上に並んでいる。ぼくがその中間にいるのだ。端の二人はお互いを見ているのだが、一直線上にいるため、ぼくに話しかけているように見えるわけだ。


 そんな時は話しかける人に寄って行くなどして、ぼくを視線上に入れないで欲しいものだ。二人が、ぼくを挟んだ状態で話すわけだから、おかしいことになってしまう。


2,
 ところで、人から親しく「こんにちはー」などと声をかけられた時、『誰だったか?顔は見たことはあるんだけど・・・。お客さんだったか?前の会社の絡みだったか?』と思うことがよくある。とりあえず、笑顔で「ああ、こんにちはー」と返してはいる。


 自慢ではないが、ぼくは人の顔を覚えることが苦手なのだ。名前は姓名判断をかじっているせいか、わりとよく憶えている。特にいい名前の人は忘れないものだ。しかし、顔のほうは人相学を勉強してないせいか、一度や二度会った位では憶えることが出来ない。


3,


さて、「こんにちは」ぐらいで終わればいいのだが、そこから「お久しぶりでーす。お元気でしたか?」などと話を続けられると、
『さて、どう返したものか?』
『どういう関係だったか?』
『タメ口利いてもよかっただろうか?』
『敬語の付き合いだったか?』
 などと思いながら、とりあえず「はあ、一応」などと言葉短めに、ほとんど敬語で話している。


 それから適当に話を合わしていき、その人を雰囲気や話の内容で必死に思い出そうとする。知ったものとして話を合わしているものだから、当然相手の名前は聞けないでいる。


 まあ、たいがいは話の流れで思い出すのだが、中にはなかなか思い出せない人もいる。別れたあとも『で、一体誰だったんか?』などと考えているが、そのうち会ったことさえも忘れてしまっている。その程度の付き合いだったのだろう。


 しかし、後になって「あ、そうか!あいつか」と思い出すこともたまにある。その時、ぼくのほうがその人より力関係が上だったりすると、「くそー、何であんなヤツに敬語を使ったんか」などと悔しがっている。


4,
 これではいけないと、なるべく人の顔を憶えるようにしようと、むかしから努力はしている。しかし、人の顔は書いて憶えるわけもいかないし、「あなたの顔を憶えられないから、写真を撮らせて下さい」などと言うことも出来ない。


 結局イメージで憶えるしかないが、イメージに残るほど特徴のある顔には、そうそうお目にかかれるものではない。
 何かいい方法はないものだろうか?

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