夢のいたずら

若い頃に描いた夢が、このブログに連れてきてくれました。人生まだまだこれからです。詩とエッセイを中心に書いています。

セルフイメージ

1,

確固たる自信のないまま生きてきたから

どうもセルフイメージがよくない。

端から見ると、いかにも自信家で

そつなく見えるかもしれない。

だけどそれは表向きを繕うために

編み出した、ぼくの忍法だ。


そうだ、みんなは誤魔化されているのだ。

ぼくはぼくの影を知っている。

影にとらわれているのを知っている。

だから忍法に頼るのだ。


2,

若い頃知らない人から

声をかけられることがよくあった。

彼らは決まってこう言うのだ。

「あなた哲学やっているでしょ?」

ぼくが「やってませんよ」と否定すると

「嘘言ってもダメ。あなたの目は

そういう目をしている」と曰う。


なんだ、この誤った自信は。

確かにその当時は老荘が好きで

その関連書を読みあさっていた。

だが哲学をやっていたわけではない。

そこに書いてある

処世術を学んでいただけだ。


だからその当時のセルフイメージは

思いに耽る哲学者の姿ではなく

馬鹿のごとくボーッとしている姿だった。


しかし哲学をしている目というのは

いったいどういうものなのだろう。

今さらながら

鏡を見ておけばよかったと思う。

まさか焦点の定まらぬ

ボーッとした目のことではないだろうな。

それなら今もしている。

×

非ログインユーザーとして返信する