夢のいたずら

若い頃に描いた夢が、このブログに連れてきてくれました。人生まだまだこれからです。詩とエッセイを中心に書いています。

回れ右

夜、仕事を終えて家に帰ってくると、
他階に住む女の子が自動ドアを開け
マンションの中に入ろうとしていた。
ところが女の子は突然回れ右をして
そそくさと外に出ていったのだった。


おかしな子だなと思いながらぼくは
自動ドアを開けて中に入ろうとした。
「あっ!」なるほどそうだったのか
これに気づいたから回れ右したのか。
エレベーターの前を答が歩いていた。


あの女の子はこれがダメだったのだ。
ぼくたちがゴロちゃんと呼んでいる
黒褐色の生物、そうゴキブリである。
実はぼくも気味の悪さを抱いている。
とはいえ回れ右をするほどではない。


さてこの場面、ぼくはゴロちゃんの
運命にどう関わろうかと考えている。
家の外のことだから放っておくかな。
家の中ではないから踏み潰そうかな。
さてどうしよう、回れ右しようかな。

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