眼下の自分
何をいったいしょぼくれているんだろう。
とくにこれといった事件はなかったのに。
心浮かないというか、楽しめないというか。
けっこう面白くない一日なんですよ。
とはいうものの本来の自分はそんな
眼下の自分を観て楽しんでいるのですけどね。
『ねえ、いったい何を悩んでいるんですか?』
眼下の自分にちょっとそれを聞いてみる。
でも、なかなか答が返ってこないんですよ。
だって実体のない事象に実体のない心が
とらわれているだけのことですからね。
『おーい、私の声が聞えていますか?』
『ちゃんと空が見えているんでしょう?』
『それで充分じゃないですか?』
『ずっとそこを捉えておいて下さい』