夢のいたずら

若い頃に描いた夢が、このブログに連れてきてくれました。人生まだまだこれからです。詩とエッセイを中心に書いています。

ドクロ裁判 他

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『ドクロ裁判』
 世間があなたを善と認めたとします。
 いい人ですよ。近所付合いもいいし。
 この人が悪なんて絶対にありえない。
 大勢の声があなたに味方しています。


 しかしわたしはあなたを善としない。
 なに故にそう言切れるのかというと、
 わたしはあなたにとって絶対的存在、
 それ故にあなたは善ではないのです。


 あなたはいつも人の後に隠れている。
 あなたは汚れる仕事をしたがらない。
 基本的に働かない方向に歩いている。
 そう言われると心が動いたでしょう。


 強がっていても見えているんですよ、
 わたしにはあなたの心の動き全てが。
 では、あなたに判決を言い渡します。
 心の終身刑です。一生悩んでなさい。


  ─この判決後、この世に送り込まれた私は、いつも悩んでいるのでございます。


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『お留守』
 おかあさんは猫のサークルに
 おとうさんは狸の飲みごとに
 夜はだーれもおりませんです
 空しく灯がついてるだけです


  ─西岸良平さんの世界が好きです。『鎌倉ものがたり』をヒントに、ちょっと書いてみました。


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『性格悪い』
 このバイパスで洗礼を受けたことのない車が、
 調子に乗ってドンドンぼくを追い抜いていく。
 何も知らんバカ共め。みんな捕まってしまえ。
 と、ぼくはスピードを気持ち上げてみるのだ。


  ─3号線バイパスの話ですが、いつも覆面パトカーがいるのです。ぼくは二度、スピード違反で切符を切られました。 


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『歳』
 待ち望んだ歳は中々やって来ない。
 たとえば二十歳の時がそうだった。
 望まない歳はさっさとやって来る。
 たとえば六十歳の時がそうだった。


  ─ということです。


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