夢のいたずら

若い頃に描いた夢が、このブログに連れてきてくれました。人生まだまだこれからです。詩とエッセイを中心に書いています。

体毛

 テレビで動物の生態などをやっていると、つい見入ってしまう。
 彼らが羨ましいんです。何が羨ましいのかというと、あの体毛です。不精者のぼくには、あの体毛が大変便利に思えるのです。


 まず第一に、床屋に行かなくていい。例えば毛が伸びすぎて困っている猫なんか見たことがない。
 第二に、着替えなくていい。衣替えも自動的にやってしまう。衣服に気を使う必要がない。
 第三に、雨風をしのげる。当然傘なんか必要としない。
 第四に、冬でも寒くない! これに尽きます。冬の寒い時にだって、髪のある頭は防寒しなくてもいいでしょう。これが全身にあれば当然防寒着は必要ない。


 それにしても人間にも体毛に覆われた時代があったのに、どうして退化してしまったんだろうか。
ぼくは、人類の生活スタイルが、体毛を必要としない方向に向かわせたからだと思っている。


 もしかしたら、体毛が退化し始めた時には、「ははは、あのおっさん見てみろよ。尻がハゲているぜ」とか、「最近お前、尻が薄くなってきたんじゃないか?」などという会話があったのではないだろうか。
 そういう理由から、パンツは人類が身につけた最初の衣服だと、ぼくは思っている。きっと今のかつらと同じで、当初はハゲ隠しだったのではないだろうか。


 野生の動物は、余計なことを考えず、全精力を生きるということに傾けている。自分のことは自分でやっているし、決して誰の助けも求めることはない。
 そして死に際は泰然としています。素直に死を受け入れている。こんなところにも、憧れを持ちます。

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