夢のいたずら

若い頃に描いた夢が、このブログに連れてきてくれました。人生まだまだこれからです。詩とエッセイを中心に書いています。

迷い猫

 今日、会社の表玄関に貼り紙がしてあるのに気がついた。
『行方不明の飼い猫を探して下さい』という内容だった。
 黄色の首輪をしていたとか、耳が欠けているとか、いろいろと猫の特徴が書いていた。


『6㎏ある』と、ご丁寧に体重まで書いていた。が、はたして歩いて(走って)いる猫を見て、
「おっ、あの猫は6㎏あるぞ」と判る人がいるだろうか?
 それに猫は動き回るわけだから、当然体重も減っているだろう。


 その貼り紙にはその猫の写真がついていた。写真に撮られるのが嫌なのか、大変迷惑そうな顔をしている。
「きっとその飼い主が嫌だったんだろう。それにこんなどこにでもいる猫を探し出すのは難しいだろう」と、ぼくは思った。


 だいたい猫を飼っているというのは、人間の勝手な思い込みに過ぎない。猫は犬と違って「私は飼われている」とは思ってない。飼われている家のことを雨風を凌げる住み家、飼い主のことを食料を調達してくれる同居人くらいにしか思ってないはずだ。だから勝手にいなくなるのだ。

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