あの世の歴史
高校の頃に、
ぼくは柔道の絞め技で
仮死状態に陥ったことがある。
しばらくあの世にいたのだが、
ほどなく蘇生してこの世に戻り
それ以降の歴史を歩んでいる。
最近思うことがある。それはあの時
ぼくは仮死状態になったのではなく
死んだのではないかということだ。
蘇生してこの世に戻ったのだと
疑いもせずに思っているわけだが、
実は蘇生出来なかったのではないのか。
そうであれば、その後の
ぼくが見知っている歴史は全て
あの世のものということになる。
そう考えると合点のいくことが、
それ以降のこの世と思っている
この世界の歴史には多くある。