夢のいたずら

若い頃に描いた夢が、このブログに連れてきてくれました。人生まだまだこれからです。詩とエッセイを中心に書いています。

立ち仕事

1,
 ぼくは22歳に社会に出てから66歳になった今まで、ずっと立ち仕事をやっている。
 若い頃は疲れたら休憩していた。ところが、最近は座ることもせず、ずっと立っている。そのため体力をかなり使う。前に休みの日には歩きに行っているのだが、実は休みの日よりも仕事の日の方が多く歩いている。
 しかし、時には立ったまま動かないこともある。そういう時は決まって腰に凄い痛みが走る。軽い腰痛ならストレッチで何とかなるのだが、そうなってしまうとストレッチが効かない。座ってもダメだ。


2,
 三年前、ぼくは脳梗塞を患い、一週間ほど入院した。入院した翌々日からリハビリを始めた。そのリハビリがあまりに楽なものだったので、早めにメニューを終わらせて、余った時間は筋トレをやっていた。
 それだけでは飽き足らず、点滴をしない時間は、病院の屋上で2㎞ほどのウォーキングをやっていた。


 退院後は仕事復帰の前日まで、毎日10キロ以上歩いていた。
 周囲からは、
「大病したんだから、少し静養したほうがいい」と言われたが、
「一週間も入院していたんだから、静養はもう十分だ。それよりも仕事に復帰した時にバテない体を作らんと、別の病気になってしまう」と言って、ぼくは歩きを敢行した。おかげで仕事復帰したその日から、バテることなく一日を乗り切ることができたのだった。


3,
 腰痛には長年悩まされている。昨年入院する前、既に限界を感じていた。
「このまま立っていたら死ぬ」
 と感じた神さまが、体を休ませようと、別の病気を作って入院にさせたのではないかと思っている。


 しかし退院後もこの腰痛だけはどうにもならない。
 一度脳神経外科の担当医に聞いたことがある。
「ふくらはぎがしびれるんですけど、これも脳梗塞の後遺症でしょうか?」
「そこは脳梗塞でしびれる部位ではありませんよ。おそらくそれは座骨神経痛か、ヘルニアから来てるんでしょう」
「どうすれば治りますか?」
「ヘルニアなら手術すれば治りますよ」


「手術」、その言葉を聞いて、ぼくは医者に腰痛のことを聞かないことにした。そして、運動で治そうと心に決めたのだった。

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