夢のいたずら

若い頃に描いた夢が、このブログに連れてきてくれました。人生まだまだこれからです。詩とエッセイを中心に書いています。

妬みの神

 サラリーマンの世界では、家を建てたりマンションを購入したりした後で、何故か転勤になることが多い。以前ぼくが勤めていた会社は、市外に支店などを持ってないのでそういうことはないのだが、ぼくが最初に勤めていた会社は全国に展開していたのではよくそんなことがあった。


 ぼくが最初の会社にいた頃、一人の課長がいた。その課長は広島出身だったのだが、定年まで後5年を切った頃に、北九州に骨を埋めようと決心し、小倉にある高級住宅地に家を建てた。ところが、その1年後、広島転勤を言い渡され、泣く泣く家を手放した。


 また、ぼくの同期で、結婚してまもなくマンションを購入した男がいたが、その男も、前出の課長と同じく、1年後に関東に飛ばされている。


 某社営業マンの話。その人は、東京本社で華々しい活躍をしていた。ところが、彼は本社勤務をあまり喜んでいなかった。彼は何故か福岡支店行きを強く希望していた。東京で何年か勤めた後、念願かなって福岡に赴任することが出来た。喜んだ彼は、赴任すると、さっそく高級マンションを購入した。ところが翌年、再び東京本社行きの辞令を受けたという。


 家を購入すると、転勤の憂き目にあう。これはいったいどういうことなのだろうか。偶然にそうなったのだろうか。
 それにしてはかなり多くの人が、そういう目に遭っている。


 もしかしたら、日本には土地や家を持つと、妬む神がいるのかもしれない。現在の日本人は、そのほとんどが征服民の子孫だ。征服民、つまり土地に対してどん欲な民のことだ。土地に対してどん欲ということは、他人が土地を持つことに対して妬みを持っていたということだ。


 日本人は、昔から先祖を神として崇めているから、そういう他人の土地に妬みを持っている先祖が神になっている、というわけだ。もしかしたら、そういう神が会社などで人事権を持つ人に取り憑いているのかもしれない。


 ということは、人事権を持つ人は、霊などに取り憑かれやすい凡庸な人はではだめで、人格や霊格が伴っている人が好ましいということになる。
 ところが、なかなかそういう格の高い人が人事に携わることはない。人事に携わる人というのは、大方がめつく凡庸な人が多い。こういう人こそ、妬みの神の格好の獲物である。だから、下っ端は泣きを見ることになるのだろう。

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