夢のいたずら

若い頃に描いた夢が、このブログに連れてきてくれました。人生まだまだこれからです。詩とエッセイを中心に書いています。

勘違い

高校時代のことだった。
ある日の休み時間に、後ろから
何か視線のようなものを感じて
振り返ってみた。するとそこには
当時ぼくが好意を抱いていた人がいて
ジッとぼくを見つめているではないか。
「えっ、あいつ、まさか、おれのこと・・」
そのことがきっかけで、ぼくの好意は
恋心へと変わり、その後何年間も
彼女への想いに縛られることになるのだ。


しかし考えてみると、あの時彼女は
ぼくのことをジッと見つめていたわけではなく
実はぼくの先にあった黒板を
ボーッと見ていただけかもしれないのだ。
なぜなら当時の彼女は何よりも部活優先で
恋愛にはあまり興味がないようだったからだ。
その証拠に、何人かの男子から
交際を申し込まれたらしいが
部活を理由にすべて断ったと聞いている。
そんな部活女が、周りから変人扱いされていた
ぼくに想いを寄せるはずがないじゃないか。


とはいえ、当時のぼくにそんな冷静さはなく
彼女が交際を断った話を聞いた時も
「あいつ、やはり、おれのこと・・」
なんて思っていたものだった。
結局ぼくと彼女は、同級生以上の
仲にはならなかった。つまり
異性としての縁がなかったわけだ。
今となってはどうなるわけでもない話だが
今でも時々、あの時の真実を
自分の中で追求している。

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