夢のいたずら

若い頃に描いた夢が、このブログに連れてきてくれました。人生まだまだこれからです。詩とエッセイを中心に書いています。

犬にはなりたくない

保育園に通っている頃、
生まれて初めて犬の交尾を見た。
お尻とお尻がくっついて
いかにも困ったような顔をして
しきりに「ワンワン」と吠えていた。
そばにいた伯母に
「何をしているのか」と尋ねると、
クリスチャンの伯母は慌てる様子もなく
「悪いことをしたから、
神様に罰を与えられたんよ」と答えた。
その時ぼくは思ったものだ。
『犬にはなりたくない』と。


その行為が何であるかが、
ようやくわかった頃、
ぼくは生まれて何度目かの犬の交尾を見た。
相変わらず困ったような顔をして
「ワンワン」吠えている。
『何がワンワンだ、ふざけやがって』
そう思っている時だった。
近所のおっさんがバケツを持ってきて、
その犬めがけて水を浴びせかけた。
二匹は慌てて逃げていった。
その時ぼくは思ったものだ。
『犬にはなりたくない』と。


高校の頃だったか、
親戚の家に遊びに行った時に、
そこの飼い犬がしきりと
タオルケットに攻撃をしかけていた。
何をやっているのだろうと見ていると、
次第に犬はエスカレートしてきて、
ついには腰を振り出した。
それを見た伯父から、
犬は散々文句を言われ、
最後に頭を叩かれていた。
その時ぼくは思ったものだ。
『犬にはなりたくない』と。

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