夢のいたずら

若い頃に描いた夢が、このブログに連れてきてくれました。人生まだまだこれからです。詩とエッセイを中心に書いています。

白線上を走る

 今は乗らなくなったが、若い頃はよく自転車を利用していた。通勤時、渋滞している車を横目に、スイスイと走る自転車は心地よかった。
 その頃の自転車は歩道を走るのが普通だったが、道がすいている帰りには車道に出ることもあった。でこぼこの歩道に比べると、実に走りやすかった。


 さてその際、ただ走るのも面白くないと思ったぼくは、路肩の白線の上をはみ出さずに走るという、ちょっとしたゲームを楽しんでいた。考えてみると、そちらのほうが運転に集中が出来るから、ただぼんやり走るよりも安全だったのだ。


 その白線走りで気がついたことがある。それは、白線をはみ出さないようにと目の前の白線を意識して走ると、運転がぶれてしまい、白線からはみ出してしまうということだ。白線から出ないで走るというゲームをやっているわけだから、その確認のためにどうしても白線を見てしまう。でもそれではだめなのだ。


 では、どうすれば白線からはみ出さずに真っ直ぐ走ることができるかというと、いちいち白線を気にして走るのではなく、よそ見せずにずっと遠くを見ながら走ることだ。そうすればぶれずに走ることが出来て、白線からはみ出すことがない。


 ちょっとしたことをいちいち気にしながら生きていると、いつまで経っても目標にたどり着くことができないが、自分の行き着く先だけを見据えて生きていると、気がつけば目標にたどり着いている。それと同じことだ。

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