サンタさん
1,
夜中、強く吹く風の音に目が覚めた。
少しぼやけた意識の中から、徐々に現実がよみがえる。
ああ、そうだった。今日はクリスマスイブだった。
サンタがいると信じていた幼い頃を思い出す。
「あんなに細いお風呂の煙突から
どうやって太ったサンタが入ってくるのだろう?」
あの頃は、いつもそんなことを考えていた。
結局正体を見たわけではないが、何となく
「サンタはおかしい」と思うようになり、
サンタさんはいつしかぼくの中で消滅したのだった。
2,
夜中、強く吹く風の音に目が覚めた。
少しぼやけた意識の中から、徐々に現実がよみがえる。
ああ、そうだった。今日はクリスマスイブだった。
「もしぼくが小さな子供で、
今のように頻尿だったとしたら
サンタの正体はバレバレだな」
そんなことを思いながら、ぼくはトイレに行った。