ぼくは進歩してないんだ
学生時代、なぜか成績が上がりそうな気がして、やたらと参考書を買い込んだ時期があった。それまでマンガを買っていたこづかいをつぎ込んで、グリップだの馬のマークだのを買い揃えたのだが、結局どれも最初の数ページを開いただけで、あとは机の上を飾っていただけにすぎなかった。
考えてみると、それらは必要に迫られて買ったのではなく、テレビのCMで成績が良くなるようなことを言っていたので、つい興味本位で手を出しただけだったんだ。その証拠にぼくは成績を良くしようとして、興味本位に超能力の本まで買っている。
当然興味本位で買った本が血となり肉となるわけもなく、成績が良くなるようなことはなかった。
よくよく考えてみれば、現在書棚に並んでいる数多くの本も、興味本位で買ったものがほとんどで、血となり肉となった本なんてありはしない。だからぼくは進歩してないんだ。