夢のいたずら

若い頃に描いた夢が、このブログに連れてきてくれました。人生まだまだこれからです。詩とエッセイを中心に書いています。

二匹の妖怪

 ぼくはかつて、2匹の妖怪に取り憑かれて困っていた。それは、『妖怪ねぶそく』と『妖怪はらまわり』である。中年時代、この妖怪がいなければ、ぼくはどんなに健康的な生活を送っていたことだろう。
 その後、目が悪くなったのも、散々「メタボ、メタボ」と言われたのも、実はこれらの妖怪の仕業だったのだ。


 さて、いったいその妖怪とはどんなものだろうか?


『妖怪ねぶそく』
 寝不足というと本人の不摂生に起因するものと思われがちだが、実はこれは妖怪の仕業なのである。パソコンやゲーム機には、必ずこの妖怪が潜んでいる。


 この妖怪に取り憑かれると、時間が経つのを忘れさせられてしまう。午前1時を過ぎても、2時を過ぎても、「まだまだ」という気分にさせられるのだ。


 特にブログを書いている人がこの妖怪に取り憑かれると、「集中力がなくなる」「アイデアが出なくなる」「雑になる」「やたらコーヒーを飲みたくなる」などといった症状が出てくる。


 また彼は、パソコンをフリーズさせたり、誤動作させたり、といったいたずらを繰り返す。そのためにますます寝不足に陥ってしまい、翌日、「無気力になる」「居眠りをする」「体調を崩す」といった弊害を生ずることになる。


 この妖怪に対する防衛策はただ一つ、パソコンやゲームの電源を入れないことである。これですべてが解決するわけだが、この妖怪に一度取り憑かれるとなかなか離れてはくれない。こちらの意思にかかわらず、パソコンやゲームの電源を入れさせてしまう。しつこい妖怪である。


『妖怪はらまわり』
 おもに文明国に生息する妖怪である。取り憑かれると、おなかの周りが膨れていくのですぐにわかる。


 彼は実体を持たないが、甘い物などを見つけると、取り憑いた人間の心に働きかけ、誘惑に勝てないようにしてしまう。よく「お菓子は別腹」などと言うが、実はこれ、『妖怪はらまわり』が言わせているのである。
「脳の疲れを取るんために、チョコレートを食べるんだ」とか「タバコの量を減らすために、キャンディをなめるんだ」などと、自分に対して苦しい言い訳をするようになるのも、この妖怪の仕業なのである。


 この妖怪は怠け者の人間が特に好きなので、「食っちゃ寝」生活をしている人は要注意である。この妖怪が取り憑き、繁殖してくると、糖尿病や高血圧といった厄介な病気を引き起こす。
 この妖怪に取り憑かれないようにしたいのなら、食べないことである。しかし、そうするわけはいかない。餓死王がやってくるからである。
 では、どうしたらいいのだろうか?彼らが極端に嫌うのは、「運動」とか「ダイエット」とかいう言葉の実践である。しかし、彼らも一度取り憑いたら離れないしつこい妖怪なので、一度取り払っても、油断するとまた繁殖してしまう。


 実は、この妖怪に対して非常に有効な呪文があるのだ。門外不出ではあるが、この日記を読んでいる方だけに、特別にお教えすることにしよう。
 その呪文とは、
「おんぶるぶるあぶとろにっくそわか」である。
 ぼくはその後、この呪文のおかげで、『妖怪はらまわり』を追い出すことに成功している。


 さて、あなたはどうだろう。これらの妖怪に取り憑かれてはいないだろうか?

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