夢のいたずら

若い頃に描いた夢が、このブログに連れてきてくれました。人生まだまだこれからです。詩とエッセイを中心に書いています。

転校

昭和44年1月のある日、

5時間目の体育の時間に

彼女は一人で泣いていた。

走りながら泣いていた。

その涙が何を意味しているのか

その日のぼくにはわからなかった。

その日のぼくにはわからなかったが

なぜか無性に悲しくなった。

なぜか無性に泣きたくなった。

きっと彼女の悲しさが素直に

ぼくに伝わったのだろう。

それから何日かして

彼女は転校していった。

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