夢のいたずら

若い頃に描いた夢が、このブログに連れてきてくれました。人生まだまだこれからです。詩とエッセイを中心に書いています。

赤い糸の話

 嫁さんと恋愛関係にあった頃、ぼくたちは何度か別れたことがある。『二度とこんな奴と付き合うものか』と思いながら、ぼくは嫁さんとの距離を置いたのだった。だけど、それで終わることはなかった。何度別れても、ぼくたちはよりを戻し、最終的に結婚まで至ったのだった。


 運命の赤い糸なるものがあるらしいが、おそらくぼくたちはその糸に結ばれていて、何度別れたとしても、どんな別れ方をしたとしても、結局はよりを戻すことになるのだろう。


 さて、赤い糸で結ばれた人と出会い、運命に引きずられるように結婚する。フィクションでもノンフィクションでも語られるのはいつもここまでだが、ではいったいその後の二人はどうなるのだろうか?人も羨むような幸せな家庭を築くのだろうか?愛情いっぱいの生活を送るのだろうか?


 経験から言わせてもらえば、決してそんなことはない。どこにでもあるような家庭を築き、どこにでもあるような生活をするだけだ。もし赤い糸の影響があるとするなら、それは愛情の有無などということではなく、窮屈ではないということだと思う。


とにかく、ほどこうにもほどけない糸で結ばれている二人なのだから、この先も今日が終わって明日が来るというありふれた生活を、二人で続けていくに違いない。

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