夢のいたずら

若い頃に描いた夢が、このブログに連れてきてくれました。人生まだまだこれからです。詩とエッセイを中心に書いています。

人生はこれからだ

学生時代のぼくは実にのんびりした性格で
物事を先走って考えるような、
そんな面倒なことはしなかった。
だから心楽しく日々を過ごすことができたのだ。


ところが社会に出てからのぼくは、
何か事が起きた時、何か行動を起こす時、
なぜか最悪の事態を考えるようになった。
考えるだけならよかったが、
その起きてもない最悪の事態に悩むという、
やっかいな気癖がついてしまったのだ。
おかげで心はいつもビクビクして、
常に何かに追われているような
妙な感覚にとらわれていた。


三十代の頃だったか、
そういう気癖がついたのは、
無理に大人であろうとするからだと思うに到り、
ぼくは大人であることを拒否するようになった。
ところがすでについた気癖のせいで、
今度は子供と思われたら
人からなめられるんじゃないかと悩みだした。


とにかく心が忙しい。
この気癖をどこかで直さないと、
心は一生疲れたままだ。
逆に言えば、この気癖さえ直れば、
楽しい人生が送れるはずだ。
「さて、どうやって直していこうか」と
模索しだしてから三十数年、
試行錯誤の末にようやくたどり着いたのが、
「大丈夫」という言葉だった。
この言葉ひとつ唱えていれば
心の問題がすべて解決する。
というか、悩みが悩みでなくなるのだ。
おかげであの頃に比べると、
心がずいぶん軽くなり、
最近では楽しいことが多くなった。
これでようやく人生の軌道に乗れた気がする。
ぼくの人生はこれからだ。

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