夢のいたずら

若い頃に描いた夢が、このブログに連れてきてくれました。人生まだまだこれからです。詩とエッセイを中心に書いています。

酒のつまみ

一杯目

 むかしは人との会話がつまみだった。

 いまはスマホがつまみになっている。

 さてこの一杯、おいしいんだろうか?

 凄くいい酒を飲んでいるんだけどね。

 つまみが今一つなのかもしれないな。


二杯目

 冬のカラオケは東北ものがいい。

 寒い海や強い雪を扱ったものでも

 なぜか温かいおでんのように

 こころに染みてくる。


三杯目

 では夏は九州ものがいいのか、

 というと、そうではない。

 リゾート感の感じられない玄界灘や

 熱い熱い火の国を歌ったものに

 涼しさは染みてこない。


四杯目

 最近はチーズをつまみにしているんです。

 あの独特の臭みに元気を感じるんですね。

 今注目の発酵食品ですしね。

 ジェリーの大好物でしたしね。

 

 チーズは昔から日本にあるんですよね。

 その昔は蘇(そ)と言ったのだとか。

 癖のある味と歴史が絡まったつまみです。


五杯目

 福岡県は魚が安いんだとか。確かに

 関東などと比べると安いのかもしれません。

 でもね、それは比較の話であって

 県民にとっては高い食材なのです。


六杯目

 北九州合馬の筍は結構有名ですよね。

 旬の頃はえらく高値がつくのだとか。

 地元だと安く買えるかって?

 いやいや、そんなことはない。

 こちらで買っても高いんです。


七杯目

 それは、北九州市民だからといって

 TOTOのウォシュレットが

 安く買えないのと同じです。

 ウォシュレットは食べられないけど。


八杯目

 今日の日記はキレが悪いな。

 まるでどこかのお酒のようだ。


九杯目

 そろそろ酔いが回ってきたのです。

 酔い、酔い、酔いといえば

 東京にいた頃、友だちがタクシーの中で

 吐きそうになったことがある。

 困ったぼくは着ていたトレーナーを脱ぎ、

 そこに吐かせた。あれも12月のことだった。

 帰り道、えらく寒かったのを憶えている。


十杯目

 酔いといえば、昔ぼくは

 悪酔いした男子社員の口の中に

 指を突っ込んで吐かせたことがある。

 それから数年後、今度は

 悪酔いした女子社員の口の中に

 指を突っ込んで吐かせたことがある。

 その後、その男とその女は結ばれた。 

 ぼくの指は愛のキューピットだ。

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